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イノベーション企業の中心は「ベンチャー」| 山形大学 i-Hope | 2022年11月講義レポート

2022年5月、「2022年度 山形大学 i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラム」が始まりました。本プログラムの目的は「自らイノベーションを起こし、地域創生を体現できる人材を育成すること」新事業創出に必要な起業家精神と知識・スキルを学ぶことができる、山形大学とコロンビアビジネススクール公式プログラムVenture for ALL®が連携したプログラムです。

期間は2022年5月から12月の約8か月間、隔週土曜日開催で講義日は全16回。

プログラムの前半はマインドセットに関することを学びました。後半では、マーケティングやファイナンス、コミュニケーションなど企業経営には欠かせない知識を学びます。

11月の講義は、
■第13回目(11月5日)「ファイナンス」「技術革新からの事業創造」「チームワーク」
■第14回目(11月19日)「起業経営の基本」「ベンチャーファイナンス」「マーケティングの最前線」

財務に関する知識やビジネスにおける大局的な視座、経営者としての必要な考え方、最新の投資事情、マーケティングの基本概念をテーマに、計5人の講師による講義が行われ、最新のノウハウや事例などが紹介されました。

本記事では、i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラムの11月の講義内容についての紹介を行います。こちらの記事は主に下記のような人向けの記事です。

  • 「i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラム」の講義内容に興味のある人
  • 「アントレプレナーシップ教育」に興味のある人
  • 「スタートアップ」に興味のある人
  • 「起業」に興味のある人

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目次
1.講義紹介
 ・「13-1:VFA ファイナンス」
 ・「13-2:技術革新からの事業創造」
 ・「14-1:起業経営の基本」
 ・「14-2:ベンチャーファイナンス」
 ・「14-3:マーケティングの最前線」
2.参加者の声
3.12月の講義予定
4.まとめ
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1.講義紹介

・「13-1:VFA ファイナンス」

CBS-VFA® ⽇本版ファウンダー・代表
株式会社ライズベース代表取締役
米IEG Global Association, General Manager
菅生 達仁 (すがおい たつひと) 氏

2015年より、コロンビアビジネススクールとパートナーを組み、Venture For All®で主任講師を務める傍ら、企業研修プログラムの構築と講師を務め、人材育成を担う会社を起業し代表を務める。

新規事業開発や営業・マーケティング、リーン、シックスシグマ、チェンジマネジメント等の事業改善・トランスフォメーション推進等、トップラインの成長推進からオペレーションの適正化まで、幅広い実務経験と Fortune100 クラスの企業研修を多数受け持つ。

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事業創造者や企業経営者が会社の財務状況を分析することは、会社の全体像や問題点の把握に役立ちます。この講義では、菅生氏の解説のもと財務に関する基礎知識を学びます。

「ファイナンス」と聞くと、財務担当者に必要な知識であって、自分には関係ないと考える人もいるかもしれません。しかし、「ファイナンス」というのは、損益計算書や賃借対照表、キャッシュフローなどの知識だけでなく、企業価値を上げるという意味において、銀行からお金を借りたり、出来ることは様々あるとのことでした。

「ビジネスに正解はないが、ファイナンスには明確なルール・覚えておかなければいけないことがあります」

損益における利益のとらえ方の違い、損益と現金の違い、価格が持つ意味だけでなく、事業に必要な資金調達について、経営者が押さえておくべき基本知識と、上手な資金調達のノウハウなど、内容は多岐に渡り解説していただきました。

・「13-2:技術革新からの事業創造」

山形大学 客員准教授
慶応義塾大学 湘南藤沢キャンパス
SFCフォーラム
廣川 克也(ひろかわ・かつや)氏

2005年より慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスインキュベーションマネージャーとして着任、起業家に対する事業計画作成、資金調達、販路拡大支援等を実施。海外学生ビジネスコンテストにアドバイザーとして参加、2009年、 2010年にはGlobalTic@台湾でアジア最優秀賞、2009年I2P Global Competition ではチームを世界一に導く。

2012年に一般財団法人SFCフォーラムを設立し、事務局長に就任。2017年にはSFCフォーラムファンドを設立、ファンドマネージャーに就任。

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大企業勤務、中央官庁勤務、起業、投資家、上場企業役員経験を持つ廣川氏に、大局的な視座を持つことや市場・消費者行動の分析、仮説検証の方法、事業との整合性判断などを解説していただきました。

ビジネスモデル、収益モデルを変えることで企業価値が大きく変わることがあります。また、世界の潮流を正しく把握することで、成長戦略の確からしさが向上します。

「時代とともにニーズが変わってきた。過去のやり方では通用しない」

作れば売れる時代は終わりました。
沢山の物に溢れ、我々の欲求のレベルが上がっている現代においては、

「技術のイノベーション」だけでなく、「意味のイノベーション」が重要になってきます。

「意味のイノベーション」が起こりやすい状況についても例え話を交えて分かりやすく教えて頂きました。

・「14-1:起業経営の基本」

山形大学 教授
アントレプレナーシップ開発センター センター長
小野寺 忠司(おのでら  ただし)氏

2012年NECパーソナル執行役員を経て、レノボ役員に就任。世界最軽量PC開発ではBest of CES Awards 2015ベストPC賞を受賞した経歴を持つ。新しい取り組みとして人工知能開発をSRI(旧スタンフォード大学研究所)と共同開発しベンチャーを設立。

2017年4月レノボを退職して山形大学へ。山形大学 国際事業化研究センター長、その後有機材料システム事業創出センター長を経て、2022年アントレプレナーシップ開発センターを設立し、イノベーション創出に向けた開発やアントレプレナー教育、企業経営指導、起業家育成を行い5年間で16社のベンチャーを立ち上げた。

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起業するということは、すなわち企業経営者になるということです。
前期に学んだことの振り返りも兼ねて「企業経営とは何か」「会社とは何か」という基本的な全体像を解説して頂きました。

創業1000年以上の老舗企業を例にグループワークを行い、メンバーの考えや自分とは違う視点からの情報をより多く取り入れながら、企業経営についての本質について学びました。

経営とは8つのマネージメントから成立する。その中でも企業経営の最上位は「パーパス・ミッション・ビジョン・バリュー」

小野寺氏は、パーパス、ミッション、ビジョン、バリュー、企業がどのような目的を持っているのかが重要であると言います。

パーパス=「企業の存在理由」=究極の判断基準

これは企業だけでなく、個人においても重要です。皆さんの「自分の存在意義」はなんでしょうか?

・「14-2:ベンチャーファイナンス」

みやこキャピタル代表取締役
山形大学 客員教授
九州大学カリフォルニア・フェロー 
元JAFCO Ventures President & CEO
菅谷 常三郎 (すがや つねさぶろう)氏

1999年に日本で最大のベンチャーキャピタル(VC)である(株)ジャフコに入社。2003年から President & CEOとしてJafco America Ventures Inc.の立ち上げに取り組む。2008年に(株)ジャフコ執行役員に就任。

2015年に、京都大学公認のVC みやこキャピタル(株)を設立、代表取締役就任。

米国シリコンバレーで6つのVCファンド(総額約1,400億円)の設立・運営に携わり、全てのファンドのゼネラル・パートナーを務め、投資先の社外取締役、ビジネスサポート、資本政策、買収提案等を行いファンドパフォーマンスを高めた。

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事業を拡大する際に大型で複雑な資金調達方法を駆使する場合があります。

Jafco Venturesを2013年全米TOP25のVCに引き上げた菅谷氏に、資金調達の技術のほか、シリコンバレー事情を含む最新のベンチャー投資事情、世界の起業家・経営者のあるべき姿勢、投資判断の勘所などについてお話していただきました。

  • ベンチャーが国家のエンジン
  • イノベーション企業の中心はベンチャー
  • 資金を与えるベンチャーキャピタル

菅谷氏は日本のベンチャーが世界で成功するのを手伝いたい、そんな想いから、みやこキャピタルを立ち上げました。日本から世界へ羽ばたいてみませんか?

・「14-3:マーケティングの最前線」

ジョルダン(株)戦略企画部長
元(公社)日本マーケティング協会 研究開発局長 エグゼクティブコンサルタント
元電通シニアクリエーティブディレクター氏
白根 有一(しらね ゆういち)氏

1979年株式会社電通に入社し、コピーライター・CMプランナーを経てクリエーティブディレクター、シニアクリエーティブディレクターを歴任。

1997年より(株)電通EYE常務取締役エグゼクティブクリエーティブディレクター、2005年より(株)電通東日本取締役コミュニケーションデザイン本部長に着任。その間東京国際大学非常勤講師。成城大学非常勤講師を務める。

2014年(公社)日本マーケティング協会エグゼクティブコンサルタントにて研究開発局長を務める。2021年より、日本マーケティング協会客員研究員(予定)、2021年 ジョルダン㈱ 戦略企画部長に着任。

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一言で「マーケティング」といってもその意味する内容は実際には幅広く、本質を理解することは簡単ではありません。

「トレンドを追うことがマーケティングではない。ヒトと違う発見ができるかどうか」
「マーケティングは課題解決ではなく、課題発見が目標です」と白根氏は言います。

私たちの身の回りにも課題は溢れています。視覚障害者の方の安全かつ快適な移動を支援するための点字ブロックや誰でも簡単に使える会計ソフトなどの開発も、元々は身の回りにある困りごとです。

この講義では、マーケティングの基本概念の中から、特に必要と思われる市場・消費者行動の分析、仮説設定の方法、事業との整合性などを初心者の方にも分かりやすく解説して頂きました。アメリカの実業家ジェームズ・W・ヤング氏は、著書『アイデアのつくり方』の中でこう言いました。

 「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」

あるものを変える、別のものに結びつけるのもクリエイティブ。
今、マーケティングに必要なものは、Be creative!皆さん、クリエイティブでありましょう!

2.参加者の声

第14回目の講義受講者の方に講義を受けた感想を伺いました。

「難しい話や、かたい内容の話もありますが、講義内容はふり幅が広いため、興味深く聴くことができました」

「チャレンジしやすい空間なのも嬉しいです」

「白根先生の講義の中で出てきたファンベースマーケティングのお話は、自身のSNSで参考にしていきたいと思いました」

今回インタビューをした受講者の方は、個人でSNSを使った活動もされているとのことで、その活動にも活かしていきたいとのことでした。

3.12月の講義スケジュール

12月の講義は、これまで学んできたことの振り返りと、最終発表に向けてチームごとに事業計画を完成させる最後の時間です。各チームがどんなビジネスプランを作り上げたのか、拝聴するのがとても楽しみですね。

■12月3日

  • 15-1, 2:アントレプレナーシップの真髄「October Sky」 講師:廣川 克也氏
  • 15-3:チームワーク 講師廣川 克也氏

■12月17日

  • 16-1:特別講義 グローバル戦略 講師:川島 健一氏
  • 16-2, 3:最終発表 講師:廣川 克也氏

4.まとめ

「起業家精神」とは「新たな事業に挑戦する姿勢」です。

これまでの講義で、沢山のプロフェッショナルの皆さんから「挑戦する姿勢」を学んできました。講義の中では、これまで馴染みのなかった用語や、内容が出てくることもあります。講師から自分の意見を求められることもあります。

自分の知らない知識だから答えられない、、、。
間違えるのが怖くて発言するのが恥ずかしい、、、。

と思う人もいるかと思います。
しかし、間違えたからと言って評価が下がることはありません。講義で学んだマインドセットを活かし、分からないことでも積極的に自分なりの考えを発言し、どんどん挑戦していきましょう。