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2022年12月 中間報告|Yamagata yori-i project | 地域活性化事業

本記事では、2022年12月21日に山形県産業創造支援センターで行われた「Yamagata yori-i project」の中間報告の様子をご紹介いたします。

こちらの記事は主に下記の人向けの記事です。

  • 「Yamagata yori-i project」の活動に興味のある人
  • 「地域活性化事業」に興味のある人
  • 「山形県最上地域」に興味のある人

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目次
1.Yamagata yori-i projectとは
2.6名のコーディネーターによる中間報告
 ・活動報告
 ・改めて気づいた課題と魅力
3.まとめ
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Yamagata yori-i projectとは

2022年4月、公益財団法人の山形県企業振興公社は、ソーシャルイノベーション創出モデル事業「Yamagata yori-i project」を開始しました。

詳しくはこちら(https://yori-i.jp/

こちらは、モデルエリアの地域課題の解決に向け、企業、NPO、大学、起業家、行政など様々な立場の参加者が協同するプロジェクト。事業初年度のモデルエリアは山形県の最上地域です。

活動に共感頂いた企業、NPO、大学、起業家、行政がボードメンバーとしてプロジェクトに参画しており、その数は110社(個人含む)に及んでいます。

既に、「Yamagata yori-i project」では3つのプロジェクトが始動しています。
・第1弾「一般社団法人最上イノベーションエクスキュート」(2022年8月31日記者発表)
・第2弾「最上地域早生桐産業創造プロジェクト」(2022年9月30日記者発表)
・第3弾「大学食堂おいしい山形プロジェクト」(2022年11月14日記者発表)
 ※「大学食堂おいしい山形プロジェクト」の活動については、こちらの記事をご覧ください(https://yu-entrepreneur.net/archives/600

上記のプロジェクトの他にも、約20件のテーマが進行中です。

6名のコーディネーターによる中間報告

Yamagata yori-i projectでは大きく二つの軸でアプローチを行います。
それは「地域でのヒアリング」と「データでの分析」です。

このヒアリングと分析の核を担っているのが、山形で活動している20-30代の若手起業家のコーディネーターです。

コーディネーターの役割は、主に下記の3つ。
1. モデル地域とプロジェクトのハブ
2. アジェンダ分科会のファシリテーター
3. 情報の整理と活用

※ファシリテーター:会議やプロジェクトなどの集団活動がスムーズに進むように支援する行為(ファシリテーション)を専門的に担当する人物

今回の中間報告では、各コーディネーターから、各々の活動報告と活動を通して気づいた地域の課題と魅力等をご報告して頂きました。

活動報告

2022年4月〜12月の期間に活動した内容を一部抜粋してご紹介いたします。

小口 貴幸 氏 (役割:サブチーフコーディネーター、担当アジェンダ:健康)

4~8月の期間では、プロジェクトブランディング、チームビルディング、エクストラアクティビティの主に3つのことに力を入れて活動しました。

プロジェクトブランディングでは、パーパスブランディングという考え方に沿って、「そもそも私たちは何のために存在しているのか」という根本的な想いや使命をチームで共有し、プロジェクトを始動。

その中で、みんなが寄り合って、寄り合って、良い山形を作っていこうという想いも込めて、「Yori-i project」という愛称の策定を行いました。

チームビルディングでは、チームとしての在り方そのものの試行錯誤からスタートし、居住地や勤務時間がバラバラなメンバーが効率的にかつ、地域からの信頼感を持っていただくためにどうできるか、ということも含めしっかりと検討を重ねました。

エクストラアクティビティとしては、2022年7月に「早稲田まちづくりシンポジウム2022」にて講演を行いました。
https://toshiforum.com/symposium/post-532

9〜12月の期間では、アジェンダアクティビティとPRアクティビティの活動を実施。

アジェンダアクティビティでは、データアナリストを中心としてしっかりと数字を見つつ、ヒアリング結果と照らし合わせ、「力を入れて取り組むべき地域の課題は何か」というところを踏まえ、5つのアジェンダ(取り組む課題)を策定。

PRアクティビティでは、多くの人たちにこの活動を知っていただくために、プレスリリース・ニュースリリースの国内シェアNo1配信サイトの「PR TIMES」でのプレスリリースの配信などを行い、成果の見える化を行いました。
https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/107731

小口氏のコメント

「一番嬉しかったのは”私も最上地域に行ってみたい”という言葉を早稲田大学の学生さんからいただいたことでした。我々がやっている活動は、山形の中で閉じるようなものではなくて、しっかりと県外あるいは海外からの需要を受け入れられるベースがあるのではないかなと、このとき強く感じました。」
「このプロジェクトの存在を知っていただくことで、”自分たちも何かできるんじゃないか”というスイッチをバチンとONの方に動かすような効果を県内の特に若者たちに対してやっていきたい。」

吉野 優美 氏 (役割:コーディネーター、担当アジェンダ:地域資源)

4〜8月の期間は、主にYamagata yori-i projectとの接合点を増やす活動と地域でのヒアリングを行いました。

Yamagata yori-i projectとの接合点を増やす活動としては、「最上広域交流センターゆめりあ」のオープンスペースを使用した会議の提案や「i-HOPE」や「中高生イノベーションキャンプ」などに参加した起業家や学生と地域が接点を持つようなプログラムとの連携を実施。

本プロジェクトのアプローチ法の軸の一つである「地域でのヒアリング」に関しては、「WHY(なぜ)」を意識して問いかけを行い、その理由が心理的理由なのか、物理的理由なのか、金銭的理由なのか、そのバランスを確認し、本質的な課題の抽出を行いました。

吉野氏のコメント

「地域資源という点で地域を見てみると、お祭り、伝統文化、工芸、湧き出している温泉、お水、山菜も全てが地域資源。接している人も全部地域資源だなということを再確認しました。」
「域内循環で生活が完結してるそのもの自体が魅力であり、まさに今、世界で言われてるSDGsのサステナビリティな暮らしであることが、世界的には魅力になるかなと思います。これをどういう風に経済と循環させていくのかというのがポイントだなと思いました。」

村上 和隆 氏 (役割:データアナリスト)

このプロジェクトのアプローチとして、「コレクティブインパクト」という手法を取り入れました。

コレクティブインパクト(Collective Impact)とは、米国のコンサルティング会社FSGのボードメンバーであるJohn Kania氏とMark Kramer氏が2011年に発表した論文「Collective Impact」の中で提唱された概念です。

行政や企業、NPOや自治体などの参加者(プレイヤー)がそれぞれのくくりを超えて協働し、さまざまな社会課題の解決に取り組むことで集合的(Collective)なインパクトを最大化すること、あるいはその枠組みを実現するためのアプローチを意味します。

https://www.sofia-inc.com/blog/9092.html

コレクティブインパクトには、3つのステップがあり、その全てでデータが必要とされています。まず、一つ目の「Initiate Action」では、社会課題の基礎データの理解。

次に「Organize for Impact」では、共通のゴールや評価方法についての検討。最後に、「Sustain Action and Impact」では、評価に必要なデータ収集。

上記の流れに沿って、プロジェクトを進めており、現在「Initiate Action」のステップが終わり、現在「Organize for Impact」のステップを進行中です。2023年からは「Sustain Action and Impact」に進む予定です。

村上氏のコメント

「魅力はあると思います。具体的にはビジネスチャンスがすごくあると思います。」
「社会の基盤となるような産業がほとんど全ての産業において、事業所数、売上数ともに人口比に比べて少ないので、その地域に(事業を)作り、今の受注先よりもいい結果を出すのであれば、受注が集中する。そういう意味で、ビジネスチャンスはあると思います。」

改めて気づいた地域の課題と魅力

次に、各コーディネーターが活動を通して気が付いた最上地域の課題と魅力について報告した内容を一部ご紹介致します。

阿部 公一 氏 (役割:コーディネーター、担当アジェンダ:産業)

阿部氏が感じた課題

・地域のメインとなる産業は農業だが、その耕作地が年々減少している
・食や文化、山林など資源となるものはあるがうまく活用できていない

阿部氏が感じた魅力

・食、環境、耕作地などこれから活用できる資源が溢れている
・それぞれの地域に、この地域を諦めていないキーマンがいる

阿部氏のコメント

「地域の中でいろんなコミュニケーションの中で見えてくるような魅力というのはこの最上地域にもあると思っています」
「自分が住んでる地域も最上地域も含めて、そのような魅力をどんどんアピールし、新しい魅力として創出していきたいです」

新関 燿氏 (役割:地域コーディネーター、担当アジェンダ:環境保全、担当地域:金山町)

新関氏が感じた課題

・課題の解決策が日常生活で見つからないこと

新関氏が感じた魅力

・人:「地域や日本を一緒に盛り上げたい」という前向きで協力的な方々がいる
・環境:生産活動や創作活動に最適な急かされない時間や空間がある

新関氏のコメント

「最上を含め県内で新しいプロジェクトが生まれていけるように、自分自身も頑張っていきたいと思います」
「”山形、何もないよね”と言われるのは僕はすごく悔しいので、特に地元の人たちにはもっと自信を持って、ここに来てよかったなとか、ここで生まれてよかったなと思えるようにしたいです。」

末永 玲於 氏 (役割:コーディネーター、担当:人)

末永氏が感じた課題

・域外とのパートナーシップの不足

末永氏が感じた魅力

・熱源となる人々が沢山いる

末永氏のコメント

「自分1人でできることには限界があるので、もっと社会的な大きなインパクトを生み出すには域内域外様々な方とパートナーシップを組んでこそインパクトを出すことができるんだな、ということを学び経験させていただきました。」

まとめ

今回は、「Yamagata yori-i project」の中間報告の様子をご紹介いたしました。中間報告の中で、サブチーフコーディネーターの小口氏はこのような気持ちを伝えてくださいました。

それぞれのコーディネーターは山形を気にかけ、
使命感、責任感を持ちプロジェクトに臨んでいます。
これを県内の方々にも聞いていただき、同じ想いを持っている若い方々が、
「じゃあ、私も実は何かできるんじゃないか」
「私も故郷のことが心配だったけど何をしていいか分からない」
「でも、もしかしたらYori-iに話すと何かできるんじゃないか」
と変わってくれることを願っております。

この記事を読んで、少しでも本プロジェクトメンバーの想いに共感して頂ければ幸いです。

▼お問い合わせはこちら
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScxvtDmZh5ApHT2Ic-pjCCsoih7VmtgpjGtYAlVtlroIvXSVw/viewform

「Yamagata yori-i project」の活動については、これまでのプレスリリースや招待講演などに加えて、今後はSNSや当ホームページ等でも進捗状況をご報告させていただく予定です。

引き続きよろしくお願いいたします。