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ついに最終発表!受講生がビジネスプランを発表しました | 山形大学 i-HOPE | 2022年12月講義レポート

2022年5月、「2022年度 山形大学 i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラム」が始まりました。本プログラムの目的は「自らイノベーションを起こし、地域創生を体現できる人材を育成すること」新事業創出に必要な起業家精神と知識・スキルを学ぶことができる、山形大学とコロンビアビジネススクール公式プログラムVenture for ALL®が連携したプログラムです。

期間は2022年5月から12月の約8か月間、隔週土曜日開催で講義日は全16回。

プログラムの前半はマインドセットに関することを学びました。後半では、マーケティングやファイナンス、コミュニケーションなど企業経営には欠かせない知識を学びます。

12月の講義は、
■第15回目(12月3日)「アントレプレナーシップの真髄「October Sky」」「チームワーク」
■第16回目(12月17日)「特別講義:グローバル戦略」「最終発表とまとめ」

第15回目では、これまで学んできたことの振り返りを行い、第16回目では、事業戦略構築の最先端かつ総合的な知識、大局を見抜く視点をテーマにした講義と、受講者のみなさんのビジネスプランの最終発表が行われました。

本記事では、i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラムの12月の講義内容についての紹介を行います。こちらの記事は主に下記のような人向けの記事です。

  • 「i-HOPE 新事業創出イノベーションプログラム」の講義内容に興味のある人
  • 「アントレプレナーシップ教育」に興味のある人
  • 「スタートアップ」に興味のある人
  • 「起業」に興味のある人

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目次
1.講義紹介
 ・「15-1, 2:アントレプレナーシップの真髄「October Sky」」
 ・「16-1:特別講義:グローバル戦略」
2.最終発表
 ・「16-2, 3:最終発表とまとめ」
3.今後の予定
4.まとめ
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1.講義紹介

・「15-1, 2:アントレプレナーシップの真髄「October Sky」

山形大学 客員准教授
慶応義塾大学 湘南藤沢キャンパス
SFCフォーラム
廣川 克也(ひろかわ・かつや)氏

2005年より慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスインキュベーションマネージャーとして着任、起業家に対する事業計画作成、資金調達、販路拡大支援等を実施。海外学生ビジネスコンテストにアドバイザーとして参加、2009年、 2010年にはGlobalTic@台湾でアジア最優秀賞、2009年I2P Global Competition ではチームを世界一に導く。

2012年に一般財団法人SFCフォーラムを設立し、事務局長に就任。2017年にはSFCフォーラムファンドを設立、ファンドマネージャーに就任。

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起業家精神は起業する人にはもちろん、社会の問題を発見し解決するという視点で、ビジネスマンや政治家、公務員にも必要なマインドセットです。

この講義では、教材映像を鑑賞し、ストーリーの中からテーマにあるマインドとスキルを学び、これまで学んできたことの振り返りと定着を図ります。

どんな状況?

何が起こった? 何が変わった?

人間関係は? 技術の進歩は?

数名でグループを作り、教材映像を見て感じたこと、気づいたことを共有し、意見交換を行いました。

アントレプレナーシップ、リーダーシップ、メンターシップ、チームワーク、成長、成功、失敗、努力、 諦めない大切さなど、これから新しく始める事業や仕事の進め方のヒントになったのではないでしょうか?

・「16-1:特別講義:グローバル戦略

山形大学 客員准教授
Lenovo Executive Director
戦略的投資組織 エグゼグティブディレクター
川島 健一(かわしま・けんいち)氏

1985年より日本IBMへ入社し、1996年よりIBM PC Company リサーチトライアングルパーク(ノースカロライナ州)勤務。2006年よりLenovo 北京勤務となり、ビジネス開発 Executive Directorに着任。2014年よりLenovo モリスビル勤務となり、戦略的投資組織 Executive Directorに着任。

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最終講演として、川島氏に講演していただきました。

国境を超えた事業を行うにあたり、価値・人・イノベ―ションなど、事業戦略構築の最先端かつ総合的な知識、大局を見抜く視点を学びます。

また、コーポレートインキュベーションを軸に、「どんなことが鍵なのか」「注意すべきポイントはどこなのか」など、ご自身が経験したエピソードを交えながら分かりやすくお話していただきました。
※インキュベーションとは、ベンチャー企業や事業創出などの新たなビジネスの成長を支援する仕組みのこと。

実際に海外の最前線でご活躍されている方の生の声を聞く機会はそうそうあるものではありません。
貴重な機会ということもあり質疑応答の中でも普段聞くことのできない貴重なご意見を頂くことができました。
社会人の方はもちろん、学生の方にも、とても刺激になった講義となりました。

2.最終発表

・「16-2, 3:最終発表とまとめ

受講生の皆さんが数名でチームを組み、これまでの講義で得られた知見を基に考案したビジネスプランを発表していただきました。

今回の発表は14チーム、発表時間は7分間です。

短い時間ではありますが、異なるバックグラウンドを持った人たちが集まり、仕事や学業の合間に作り上げてきたビジネスプランを聞けるのはとても楽しみですね。

ゲストとして地域の関係者、行政関係者、顧客候補など、幅広い方々をお招きし、発表の後にはコメントをいただきました。

最終発表

山形県の最上地域でフィールドワークを実施したこともあり、最上地域で触れた観光資源に着目したチームが多くありました。

最上地域の食に注目したビジネスプラン

最上地域の温泉に着目したビジネスプラン

最上地域の自然から発想を得たビジネスプラン

このように、「食」、「温泉」、「自然」など、これまで地域に根付き、醸成されてきた魅力の種を、今の時代に合わせたサービスや商品に変えたビジネスプランを発表していただきました。

各チームの発表が終わり、発表の最後にゲストの皆様から講評をいただきました。
本記事では、メイン講師3名から頂いたコメントを一部ご紹介いたします。

講評
廣川 克也(ひろかわ かつや)氏

起業家の言葉を聞いたりフィールドワークでアントレプレナーシップのマインドセットに触れたことで、チャレンジをしよう!という積極的で前向きなマインドセットに変わってきたのかなと思います。

同時に、マーケティングの考え方や数字の根拠を示すこと、プレゼンテーションの仕方などのスキルセットも学んでいただけたかと思います。

また、中間発表から比べると様々なものが具体化し、皆さんの成長を感じることのできた、とても素晴らしい発表でした。

スタートアップの戦略は、大企業ができないようなスピードで急速に事業を立ち上げて、失敗があってもピボットし改善点を見つけ出し、修正をかけてより良いものを作る、このサイクルを高速でグルグル回すことだと思います。

折角ここまで作り上げたので、是非実現していただけたらと思います。

戸田 達昭(とだ たつあき)氏

その事業をなぜやるのかが重要です。

どこの、誰の、どんな課題を、どうやって解決するか、のイメージがないと絶対できません。
そういうところは僕が入らせてもらったチームではできたのかなと思います。
皆さんも是非イメージしてみてください。

全てのチームが魅力的でしたが、特にこの3チームはすぐに取り組んでいきましょう!
※講評の中で3チームを紹介しておりました。

事業とは生き物のようなものです。
タイミングがあるため、今仕掛けるべきものは今仕掛けなければいけません。
「よしやるか!」と思ったらすぐにやった方がいいと思います。

小野寺 忠司(おのでら ただし)氏

山形大学でのアントレプレナー教育6年目にして今回初めてフィールドワークを行いました。
フィールドワークでは、エコシステムを生み出しにくいと言われる過疎エリアをあえて選ばせて頂きました。
開始当初は不安な気持ちもありましたが、今日の発表を聞いて各チームしっかりとしたビジネスモデルが作り上げられていると感じました。

我々の強みは、教育だけでなくアウトカムをどう表現するかというところです。
※アウトカムとは、実際の業績や社会に与えた影響、 何らかの施策を実施した際に得られる、最終的な結果のことを指します。

事業化に取り組むことは地域のためでもあり、皆さんのためでもあります。
次のステップに上る意味でも、今回の発表で終わりにせず、是非事業化までもっていってほしいと思っています。

3.今後の予定

2月18日は、カナダ・トロントに本社を構えるAI向けハードウェアベンチャー企業 TenstorrentのCCO デビット・ベネット氏による特別講演と修了者発表と修了証書授与が行われます。

■2月18日

  • 特別講演:「グローバルからローカルへ」 講師:デビット・ベネット氏
  • 修了式

4.まとめ

受講生の皆さん、2022年5月から12月までの約8か月間、全16回の講義お疲れ様でした。
講義を受ける前と、全16回の講義を終えた今とでは、随分とマインドが変化しスキルが身に付いたのではないでしょうか?

受講生の皆さんの発表からは
「最上地域で困っている人を助けたい」「日本のどこかで困っている人を助けたい」という熱い想いが伝わってきました。

現地でヒアリングを行い、課題の深堀りを入念に行ったこともあり、地域の課題や日常の課題を他人事ではなく自分事として捉えて取り組んでいたためだと思います。

起業の有無に関わず、本プログラムで学んだマインドとスキルは日々の業務の中でも活用できることでしょう。

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みなさんの新たなチャレンジをお待ちしています。